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スイス製ソーラークオーツでこれ以上頼りになる会社はありません。
カザピ氏:理由はいくつかありますが、一番大きかったのは、フレデリック・アルノー氏(現ロロ・ピアーナ CEO)から声がかかったことですね。彼から提示されたかなりチャレンジングな課題をぜひとも自分の手でやってみたかったんです。加えて、同じ時計といっても前職はジュエリーブランドだったので、タグ・ホイヤーを通じてまったく違う世界を経験できる未来がとても面白そうに思いました。

インタビューはタグ・ホイヤーのイベント会場となった都内某所のホテルの一室で行われた。写真提供:タグ・ホイヤー
–アルノー氏から提示された課題のひとつが、2023年にオンリーウオッチ用に発表されたスプリットセコンド クロノグラフなのかな、と推察します。入社した当時はCOVID-19によるパンデミックの最中。こうしたコンプリケーションの開発をはじめ、なかなか仕事が思うように進まなかったのではないかとお察しします。

カザピ氏:スプリットセコンド クロノグラフはとてもスポーツと相性が良いものですから、開発するのは自然の流れでした。スポーティでありながらテクニカルな魅力も楽しめる設計ができることも、タグ・ホイヤーに入った大きな理由と言えるでしょう。ただ、おっしゃる通り、入社してしばらくは画面越しでしか同僚に会えない状況が長く続き、とても難しかったですね。

カザピ氏:新しいムーブメントの開発設計もそうですが、主な私の役割はムーブメントの開発戦略になります。経営陣の考えていることに私が裏付けを行い、それを具体的なタイムピースへと落とし込んでいく。そのようなことを5年間続けています。

カザピ氏:そう聞かれると思って用意していましたよ(笑)。これが私の考えているムーブメントの開発戦略で、「NEW NORMAL」と呼んでいます。いま現在のムーブメントに期待されていること、現代のノーマルについて考えたことです。いまのムーブメントには、パワーリザーブの長さ、頑丈さ、そしてクオリティとパフォーマンスの高さが期待されており、私たちはすべてのレンジにおいてこうした期待に応えるムーブメントを展開していきます。

カザピ氏:タグ・ホイヤーのモデルをピラミッドの階層に分けると一番下はクオーツですね。これを今後ソーラー駆動にしていきます。新作のフォーミュラ1になぜソーラームーブメントを搭載したのかよく聞かれるのですが、この戦略が理由なんです。そしてその上の階層には、3針自動巻きムーブメントが来て、さらに上に自社製クロノグラフとなります。頂点はアヴァンギャルドオルロジュリー、私たちのサヴォワフェールを最も発揮するパートですね。

–ソーラームーブメントはラ・ジュー・ペレ製で、3針自動巻ムーブメントはケニッシやAMTと、NEW NORMALのムーブメント戦略にはサプライヤーとの関係も重要ですね。

カザピ氏:最良の戦略を立てるには、それにふさわしいパートナーの存在が欠かせないと思っています。たとえばラ・ジュー・ペレのソーラーには、50年以上にわたる研究開発と膨大な特許を持つシチズンの技術が反映されています。そして、現在のトップが元々ETA社でクオーツの生産の責任者だったジャン-クロード・エゲン氏ですから、スイス製ソーラークオーツでこれ以上頼りになる会社はありません。

–AMTについては最近になって名前をよく聞くようになりましたが、まだ私は実態がいまいち掴めていません。いったいどのような会社なのでしょうか?

カザピ氏:AMTは、私たちのマニュファクチュールからわずか2kmほど離れたところにファクトリーがあります。ムーブメントメーカーのセリタのグループに属していますが独立した存在ですね。たとえるならメルセデスとAMGのような関係に近いと思います。セリタの中でもオートオルロジュリーに特化しており、先ほどのラ・ジュー・ペレにも言えることですが、私たちのニーズに応じて、特別に提供してくれるサプライヤーですね。

–先ほどのピラミッドの話に戻りますが、このエルメス 激安コピー品AMTの上にいよいよ自動巻きクロノグラフのステージがあります。ここで初めて自社製を置くことにした理由を教えてください。

カザピ氏:私たちはマニュファクチュールの名のもとに一貫製造をするパートを残していく必要がありますし、なによりクロノグラフは私たちの歴史的なサヴォワフェールですからね。また、自社製造を続けることでサプライヤーにも意見できますし、チャレンジングな要求を求めることもできます。「ここはもっとこうできるでしょう」とかね。NEW NORMALとは、そうしたやりとりまで考慮したうえでの「戦略」なんですよ。